世界の中の日本
第6学年(4クラス・157名)
担当教師:秦薫先生、花野嘉則先生、森本篤先生、小林あゆみ先生
平成19年度実施
活動のねらい
私達日本人が諸外国とどう関わり、何をしていくべきかを考えていきたい。5年生のときには食糧生産や工業生産の中で貿易を通して諸外国との関わりを学んできたが、6年生では貿易も含め、更により深く日本の現状と諸外国との関わりを知り、理解を深めたい。そして世界の国々の人々と共に生きていくことの大切さを自覚し、できることから実践する態度の育成を図りたい。
10月・11月の社会科及び総合的な学習の時間の計画(時数27時間)
日本と関係の深い国について知ろう(時数11時間)
1 生活の中の世界を探そう
(具体的な活動)どんな国とどんなかかわりがあるか、ニュースや身の回りから探し出す。自分の知っている国を思い浮かべ、どうして知っているかを考える。
2-9 自分が選んだ国について調べよう
(具体的な活動)自分が選んだ国の位置、特徴を調べると共に日本とのかかわりをテーマを持って調べる。
【テーマ例】食べ物、貿易、歴史 など
10-11 調べたことを発表しよう
(具体的な活動)調べたことを、国ごとや地域別に集まって発表する。詳しいことは新聞に書いてまとめる。
世界の平和と日本の役割について考えよう(時数11時間)
1 【第1回目 授業】世界で活躍している人の体験談を聞こう
尾池氏の話を聞く(講師派遣申請)
- 日時:平成19年10月19日(月)10:45~12:25
- 場所:朝霞市立朝霞第一小学校体育館
- 参加者:朝霞市立朝霞第一小学校6年生157名
(ねらい)世界で活躍している人の話を聞き、国際理解への関心をより身近な事としてとらえ、今後の実施につなげていける児童の育成を図る。
(学習内容)「マレーシアとの絵の交流」を始めようと思ったきっかけ、交流を続けて思うこと、子どもたちに望むことなどについて話をする。民族衣装や民芸品を展示して文化紹介をする。
2-9 世界で活躍する人たちの仕事を詳しく調べよう
(具体的な活動)NGO、国連、ユニセフ、ユネスコ、WHO、青年海外協力隊等の活動について詳しく調べる。
10-11 【第2回目 授業】フィジーの小学生と交流しよう
フィジーで協力隊として活動している隊員や、そこの学校の子どもたちとインターネットを通して交流をする。
- 日時:平成19年11月19日(月)10:00~11:00(フィジー時間 13:00~14:00)
- 場所:(日本)朝霞市立朝霞第一小学校体育館(フィジー)フィジーJICAオフィス
- 参加者:(日本)朝霞市立朝霞第一小学校6年生156名(フィジー)ジョンウェスリー小学校4年生23名
(ねらい)日本から多くの観光客が訪れる国フィジーは、観光だけでなく、マグロの輸入国としても日本と深いかかわりを持っている。またフィジーは、青年海外協力隊として小学校で活動する隊員と直接会話ができる国である。この交流を通して、それぞれの国を理解し、お互いの生活や文化を認め合うことで、国際社会の中で貢献できる人間の育成を目指したい。
交流までの準備
- (時数)1(学習内容)協力隊について知ろう(具体的な活動)協力隊OGの話
- (時数)1(学習内容)フィジーについて調べよう(具体的な活動) 場所、特徴、文化、あいさつの言葉など
- (時数)1(学習内容)交流の内容を考えよう(具体的な活動) 調べたことを元に考える
- (時数)5(学習内容) 交流の準備をしよう(具体的な活動) 必要なものをそろえる、練習など
- (時数)2 (学習内容)さあ、交流だ!
当日の内容
- 日本の児童の あいさつ< 2分> ハロー!ブラ!こんにちは!! 僕たちは埼玉県朝朝霞第一小学校の6年生です。皆さんに会えるのを楽しみにしていました。今日はよろしくお願いします。
- フィジーの児童の あいさつ<22分> ブラ! 私たちはジョンウェスリー小学校の4年生です。今日は、楽しい交流をしましょう。
- ゲーム<35分> ♪ ヘッド・ショルダー・ニード・トュー・ニード・トュー
- 日本の文化紹介<10分> 食べ物、服、学校の様子、遊び、スポーツ、有名な自然と建物を紹介。3択クイズあり。
- フィジーの文化紹介<10分> 食べ物、その他。
- 日本の児童からJOCVへの質問<5分> 今まで活動をしていて、良かったことは?逆に大変だっだことは?フィジーの学校で教えていて感じたことは何ですか?これから、やりたいことはありますか?
- フィジーの児童から日本への質問<5分> 空手は学校で習いますか?日曜日に教会に行きますか?英語を学校で習っていますか?日本にいて、フィジーにいない動物は何ですか?
- 日本の出し物<8分> 合奏「もののけ姫」、歌「旅立ちの歌」
- フィジーの出し物<8分> メケ(フィジーの踊り)、歌「きらきら星」
- 日本の児童あいさつ<2分> 今日は楽しかったです。フィジーの皆さん、ありがとうとございました。グッバイ・モゼ・さようなら!
- フィジーの児童あいさつ<2分> 今日はありがとうございました。モゼ マンダ
自分の平和と日本の役割(時数11時間)
1-2 自分たちに できることを 考えよう
(具体的な活動)それぞれのグループからの提案
3-4 実際にできることを実践しよう
5 自分の考えを まとめよう
(具体的な活動)今までの学習を振り返り考えたことや、今はできなくても将来やってみたいことなどを記録として残しておく。
児童の感想
第1回目
- マレーシアとどうして絵の交流をしているかをはじめて知った。
- マレーシアのことがよくわかった。
- 自分の絵も届けてほしい。
- 自分でもできる事をやってみたい。
第2回目
- フィジーと日本では、文化などがぜんぜん違うし、フィジーの人たちはとても陽気で明るかった。
- 言葉はわからなかったけど、クイズや日本の紹介をしている時に、声をあげて喜んでくれて、とてもうれしかった。
- 今度は、海外に行ってみたい。
成果と課題
第1回目
- 今回の授業は「世界の中の日本」への動機づけとして、とてもインパクトがあり、事後の学習にも意欲的に取り組むことができた。
- 朝霞市では多くの児童が絵を提供し、毎年かかわっているにもかかわらず、誰が何のためにやっているかという現状がわからず参加していた児童が多くいた。改めて、自分たちが国際交流に参加しているという実感を持つことができた。
- 反面、子どもたちは意欲関心を持って学習に取り組んでいるが、他の国の事という意識が根強く、自分たちにもできることがあるという身近なこととしてはとらえにくいようである。
第2回目
- 海を隔てた遠くの国の人たちと、TVを通じ同時に話をする事により、外国を身近なものとして感じる事ができた。また、TV交流会の準備を進めることにより、机上の調べ学習にとどまらず、発展的な実践ができた。
- 反面、この学習を継続していく事の難しさがあげられる。また、今回は交流会の全てのプログラムが通訳を通しての交流だったが、今後は英語学習の成果を取り入れるなど、より効果的に進めていければいいと思う。